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3 <!-- EN-Revision: 21606 -->
4 <sect1 id="zend.file.transfer.introduction">
5 <title>Zend_File_Transfer</title>
8 <classname>Zend_File_Transfer</classname> を使用すると、
9 ファイルのアップロードやダウンロードを管理できます。
10 組み込みのバリデータを使ってファイルを検証したり、
11 フィルタによってファイルを変更したりという機能があります。
12 <classname>Zend_File_Transfer</classname> はアダプタ形式を採用しており、
13 <acronym>HTTP</acronym> や FTP、WEBDAV などのさまざまな転送プロトコルを同じ <acronym>API</acronym> で使用できます。
20 現在の <classname>Zend_File_Transfer</classname>
21 の実装では、<acronym>HTTP</acronym> Post によるアップロードにしか対応していません。
22 ファイルのダウンロードやその他のアダプタについては次のリリースで追加される予定です。
23 実装されていないメソッドを実行すると例外をスローします。
25 <classname>Zend_File_Transfer_Adapter_Http</classname>
26 のインスタンスを直接操作することになります。
27 これは、将来複数のアダプタが使用可能になった段階で変更される予定です。
35 <classname>Zend_Form</classname> を使う場合は <classname>Zend_Form</classname>
36 の <acronym>API</acronym> を使うようにし、<classname>Zend_File_Transfer</classname>
37 を直接使わないようにしましょう。<classname>Zend_Form</classname>
38 のファイル転送機能は <classname>Zend_File_Transfer</classname>
39 で実装されているので、この章の説明は <classname>Zend_Form</classname>
45 <classname>Zend_File_Transfer</classname> の使い方はきわめて単純です。
47 アップロードを行う <acronym>HTTP</acronym> フォームとアップロードされたファイルを
48 <classname>Zend_File_Transfer</classname> で処理するコードを作成します。
52 <example id="zend.file.transfer.introduction.example">
53 <title>シンプルなファイルアップロードフォーム</title>
56 これは、基本的なファイルアップロード処理の例です。
58 今回の例では。アップロードしたいファイルはひとつです。
61 <programlisting language="xml"><![CDATA[
62 <form enctype="multipart/form-data" action="/file/upload" method="POST">
63 <input type="hidden" name="MAX_FILE_SIZE" value="100000" />
64 アップロードするファイルを選択: <input name="uploadedfile" type="file" />
66 <input type="submit" value="アップロード" />
71 HTML を直接作成するのではなく、利便性を考慮して
72 <link linkend="zend.form.standardElements.file">Zend_Form_Element_File</link>
77 次はアップロードしたファイルを受け取る側です。
78 今回の例では、受け取る側は <filename>/file/upload</filename>
79 となります。そこで、 'file' コントローラにアクション
80 <methodname>upload()</methodname> を作成します。
83 <programlisting language="php"><![CDATA[
84 $adapter = new Zend_File_Transfer_Adapter_Http();
86 $adapter->setDestination('C:\temp');
88 if (!$adapter->receive()) {
89 $messages = $adapter->getMessages();
90 echo implode("\n", $messages);
95 このコードは <classname>Zend_File_Transfer</classname> のもっともシンプルな使用法を示すものです。
96 ローカルの保存先を <methodname>setDestination()</methodname> メソッドで指定して
97 <methodname>receive()</methodname> メソッドをコールします。
98 アップロード時に何らかのエラーが発生した場合は、
108 この例は、<classname>Zend_File_Transfer</classname> の基本的な <acronym>API</acronym> を説明するためだけのものです。
110 <emphasis>いけません</emphasis>。
111 深刻なセキュリティ問題を引き起こしてしまいます。
112 常にバリデータを使用してセキュリティを向上させるようにしなければなりません。
116 <sect2 id="zend.file.transfer.introduction.adapters">
117 <title>Zend_File_Transfer がサポートするアダプタ</title>
120 <classname>Zend_File_Transfer</classname> は、
121 さまざまなアダプタと転送方向をサポートするように作られています。
122 ファイルのアップロードやダウンロードだけでなく、転送
123 (あるアダプタでのアップロードと別のアダプタでのダウンロードを同時に行う)
125 しかし、Zend Framework 1.6 の時点で存在するアダプタは
130 <sect2 id="zend.file.transfer.introduction.options">
131 <title>Zend_File_Transfer のオプション</title>
134 <classname>Zend_File_Transfer</classname> やそのアダプタはさまざまなオプションをサポートしています。
135 オプションはコンストラクタで指定することもできますし、
136 <methodname>setOptions($options)</methodname> で指定することもできます。
137 <methodname>getOptions()</methodname> は、実際に設定されているオプションを返します。
144 <emphasis>ignoreNoFile</emphasis>: このオプションを <constant>TRUE</constant> にすると、
145 ファイルがフォームからアップロードされなかったときにバリデータは何も行いません。
146 このオプションの既定値は <constant>FALSE</constant> で、
147 この場合はファイルがアップロードされなければエラーとなります。
153 <sect2 id="zend.file.transfer.introduction.checking">
154 <title>ファイルのチェック</title>
157 <classname>Zend_File_Transfer</classname>
158 のメソッドの中には、さまざまな前提条件をチェックするためのものもあります。
159 これらは、アップロードされたファイルを処理する際に便利です。
165 <emphasis>isValid($files = null)</emphasis>: このメソッドは、
166 ファイルにアタッチされたバリデータを用いてそのファイルが妥当なものかどうかを検証します。
167 ファイル名を省略した場合はすべてのファイルをチェックします。
168 <methodname>isValid()</methodname> を <methodname>receive()</methodname> の前にコールすることもできます。
169 この場合、<methodname>receive()</methodname> がファイルを受信する際に内部的に
170 <methodname>isValid()</methodname> をコールすることはありません。
176 <emphasis>isUploaded($files = null)</emphasis>: このメソッドは、
177 指定したファイルがユーザによってアップロードされたものなのかどうかを調べます。
178 これは、複数のファイルを任意でアップロードできるようにする場合などに便利です。
179 ファイル名を省略した場合はすべてのファイルをチェックします。
185 <emphasis>isReceived($files = null)</emphasis>: このメソッドは、
186 指定したファイルがすでに受信済みであるかどうかを調べます。
187 ファイル名を省略した場合はすべてのファイルをチェックします。
192 <example id="zend.file.transfer.introduction.checking.example">
193 <title>ファイルのチェック</title>
195 <programlisting language="php"><![CDATA[
196 $upload = new Zend_File_Transfer();
198 // すべての既知の内部ファイル情報を返します
199 $files = $upload->getFileInfo();
201 foreach ($files as $file => $info) {
203 if (!$upload->isUploaded($file)) {
204 print "ファイルをアップロードしてください";
209 if (!$upload->isValid($file)) {
210 print "$file は不適切です";
221 <sect2 id="zend.file.transfer.introduction.informations">
222 <title>さらなるファイル情報</title>
225 <classname>Zend_File_Transfer</classname> は、ファイルについてのさらなる情報を返すことができます。
232 <emphasis>getFileName($file = null, $path = true)</emphasis>:
233 このメソッドは、転送されたファイルの実際のファイル名を返します。
239 <emphasis>getFileInfo($file = null)</emphasis>:
240 このメソッドは、転送されたファイルのすべての内部情報を返します。
246 <emphasis>getFileSize($file = null)</emphasis>:
247 このメソッドは、指定したaifるの実際のファイルサイズを返します。
253 <emphasis>getHash($hash = 'crc32', $files = null)</emphasis>:
254 このメソッドは、転送されたファイルの内容のハッシュを返します。
260 <emphasis>getMimeType($files = null)</emphasis>:
261 このメソッドは、転送されたファイルの mimetype を返します。
267 <methodname>getFileName()</methodname> の最初のパラメータには、
268 要素の名前を渡すことができます。名前を省略した場合は、
270 multifile 形式であった場合も結果は配列となります。
271 ファイルがひとつだけだった場合は結果を文字列で返します。
275 デフォルトでは、ファイル名はフルパス形式で返されます。
276 パス抜きのファイル名だけがほしい場合は、2 番目のパラメータ
277 <code>$path</code> を設定します。これを <constant>FALSE</constant>
278 にするとパスの部分を取り除いた結果を返します。
281 <example id="zend.file.transfer.introduction.informations.example1">
282 <title>ファイル名の取得</title>
284 <programlisting language="php"><![CDATA[
285 $upload = new Zend_File_Transfer();
288 // すべてのファイルのファイル名を返します
289 $names = $upload->getFileName();
291 // フォームの 'foo' 要素のファイル名を返します。
292 $names = $upload->getFileName('foo');
299 ファイルを受信する際にファイル名が変わることがあることに注意しましょう。
300 これは、ファイルを受信した後ですべてのフィルタが適用されるからです。
301 <methodname>getFileName()</methodname> をコールするのは、ファイルを受信してからでなければなりません。
306 <methodname>getFileSize()</methodname> は、デフォルトではファイルサイズを SI 記法で返します。
307 つまり、たとえば <emphasis>2048</emphasis> ではなく <emphasis>2kB</emphasis>
308 のようになるということです。単にサイズだけが知りたい場合は、オプション
309 <property>useByteString</property> を <constant>FALSE</constant> に設定してください。
312 <example id="zend.file.transfer.introduction.informations.example.getfilesize">
313 <title>ファイルのサイズの取得</title>
315 <programlisting language="php"><![CDATA[
316 $upload = new Zend_File_Transfer();
319 // 複数のファイルがアップロードされた場合は、すべてのファイルのサイズを配列で返します
320 $size = $upload->getFileSize();
322 // SI 記法を無効にし、数値のみを返すようにします
323 $upload->setOption(array('useByteString' => false));
324 $size = $upload->getFileSize();
330 <title>Client given filesize</title>
333 Note that the filesize which is given by the client is not seen as save input.
334 Therefor the real size of the file will be detected and returned instead of the
335 filesize sent by the client.
340 <methodname>getHash()</methodname> の最初のパラメータには、ハッシュアルゴリズムの名前を指定します。
342 <ulink url="http://php.net/hash_algos">PHP の hash_algos メソッド</ulink>
343 を参照ください。アルゴリズムを省略した場合は
344 <emphasis>crc32</emphasis> をデフォルトのアルゴリズムとして使用します。
347 <example id="zend.file.transfer.introduction.informations.example2">
348 <title>ファイルのハッシュの取得</title>
350 <programlisting language="php"><![CDATA[
351 $upload = new Zend_File_Transfer();
354 // 複数のファイルがアップロードされた場合は、すべてのファイルのハッシュを配列で返します
355 $hash = $upload->getHash('md5');
357 // フォームの 'foo' 要素のハッシュを返します。
358 $names = $upload->getHash('crc32', 'foo');
367 複数のファイルを指定した場合は、返される結果が配列となることに注意しましょう。
372 <methodname>getMimeType()</methodname> はファイルの mimetype を返します。
373 複数のファイルがアップロードされた場合は配列、そうでない場合は文字列を返します。
376 <example id="zend.file.transfer.introduction.informations.getmimetype">
377 <title>ファイルの mimetype の取得</title>
379 <programlisting language="php"><![CDATA[
380 $upload = new Zend_File_Transfer();
383 $mime = $upload->getMimeType();
385 // フォーム要素 'foo' の mimetype を返します
386 $names = $upload->getMimeType('foo');
392 <title>Client given mimetype</title>
395 Note that the mimetype which is given by the client is not seen as save input.
396 Therefor the real mimetype of the file will be detected and returned instead of the
397 mimetype sent by the client.
402 <title>ありえる例外</title>
405 このメソッドは、fileinfo 拡張モジュールが使用可能な場合はそれを使用することに注意しましょう。
406 この拡張モジュールがみつからなかった場合は、mimemagic 拡張モジュールを使用します。
407 それもみつからなかった場合は、例外を発生します。
412 <title>Original data within $_FILES</title>
415 Due to security reasons also the original data within $_FILES will be overridden
416 as soon as <classname>Zend_File_Transfer</classname> is initiated. When you want
417 to omit this behaviour and have the original data simply set the
418 <property>detectInfos</property> option to <constant>FALSE</constant> at initiation.
422 This option will have no effect after you initiated
423 <classname>Zend_File_Transfer</classname>.
429 <sect2 id="zend.file.transfer.introduction.uploadprogress">
430 <title>ファイルアップロードの進捗</title>
433 <classname>Zend_File_Transfer</classname> では、ファイルアップロードの進捗状況を知ることができます。
434 この機能を使用するには、<acronym>APC</acronym> 拡張モジュール
435 (ほとんどの <acronym>PHP</acronym> 環境においてデフォルトで提供されています)
436 あるいは <classname>uploadprogress</classname> 拡張モジュールが必要です。
437 これらの拡張モジュールがインストールされていれば、自動検出してそれを使用します。
438 進捗状況を取得するには、いくつかの事前条件があります。
442 まず、<acronym>APC</acronym> あるいは <classname>uploadprogress</classname>
443 のいずれかを有効にする必要があります。<acronym>APC</acronym>
444 の機能は <filename>php.ini</filename> で無効化できることに注意しましょう。
448 次に、ファイルを送信するフォームの中に適切な hidden
449 フィールドを追加しなければなりません。<classname>Zend_Form_Element_File</classname>
450 を使う場合は、この hidden フィールドは
451 <classname>Zend_Form</classname> が自動的に追加します。
455 これらふたつの条件さえ満たせば、ファイルアップロードの進捗状況を
456 <code>getProgress</code> メソッドで取得できます。
457 実際には、これを処理する公式な方法は 2 通りあります。
460 <sect3 id="zend.file.transfer.introduction.uploadprogress.progressadapter">
462 <title>progressbar アダプタを使用する</title>
465 <emphasis>Zend_ProgressBar</emphasis> を使用して、
466 実際の進捗状況を取得した上でそれをシンプルにユーザに見せることができます。
470 そのためには、<methodname>getProgress()</methodname> を最初にコールするときにお望みの
471 <emphasis>Zend_ProgressBar_Adapter</emphasis> を追加しなければなりません。
472 どのアダプタを使用すればいいのかについては
473 <link linkend="zend.progressbar.adapters">Zend_ProgressBar の標準のアダプタ</link>
477 <example id="zend.file.transfer.introduction.uploadprogress.progressadapter.example1">
478 <title>progressbar アダプタを使用した実際の状態の取得</title>
480 <programlisting language="php"><![CDATA[
481 $adapter = new Zend_ProgressBar_Adapter_Console();
482 $upload = Zend_File_Transfer_Adapter_Http::getProgress($adapter);
485 while (!$upload['done']) {
486 $upload = Zend_File_Transfer_Adapter_Http:getProgress($upload);
493 完全な処理は、バックグラウンドで <methodname>getProgress()</methodname> によって行われます。
498 <sect3 id="zend.file.transfer.introduction.uploadprogress.manually">
499 <title>getProgress() を手動で使用する</title>
502 <classname>Zend_ProgressBar</classname> を使わずに手動で
503 <methodname>getProgress()</methodname> を動作させることもできます。
507 <methodname>getProgress()</methodname> を何も設定なしでコールします。
508 すると、いくつかのキーを含む配列が返されます。
509 使用している <acronym>PHP</acronym> 拡張モジュールによってその内容は異なります。
510 しかし、次のキーは拡張モジュールにかかわらず返されます。
516 <emphasis>id</emphasis>:
517 このアップロードの ID。その拡張モジュール内でのアップロードを一意に識別します。
518 自動的に設定され、この値は決して変更することができません。
524 <emphasis>total</emphasis>:
525 アップロードされたファイル全体のサイズをバイト単位で表した整数値。
531 <emphasis>current</emphasis>:
532 現在までにアップロードされたファイルサイズをバイト単位で表した整数値。
538 <emphasis>rate</emphasis>:
539 アップロードの平均速度を「バイト/秒」単位で表した整数値。
545 <emphasis>done</emphasis>:
546 アップロードが終了したときは <constant>TRUE</constant> 、
547 そうでなければ <constant>FALSE</constant> を返します。
553 <emphasis>message</emphasis>:
554 実際のメッセージ。進捗を <emphasis>10kB / 200kB</emphasis>
555 形式で表したテキストか、何か問題が起こった場合には有用なメッセージとなります。
556 「問題」とは、何もアップロード中でない場合や
557 進捗状況の取得に失敗した場合、あるいはアップロードがキャンセルされた場合を意味します。
563 <emphasis>progress</emphasis>:
564 このオプションキーには <classname>Zend_ProgressBar_Adapter</classname> あるいは
565 Zend_ProgressBar のインスタンスが含まれ、
566 プログレスバー内から実際のアップロード状況を取得できるようになります。
572 <emphasis>session</emphasis>:
573 このオプションキーには <classname>Zend_ProgressBar</classname>
574 内で使用するセッション名前空間の名前が含まれます。
575 このキーが与えられなかったときのデフォルトは
576 <classname>Zend_File_Transfer_Adapter_Http_ProgressBar</classname> です。
582 それ以外に返されるキーについては各拡張モジュールが直接返すものであり、
587 次の例は、手動で使用する方法を示すものです。
590 <example id="zend.file.transfer.introduction.uploadprogress.manually.example1">
591 <title>手動での進捗状況表示の使用法</title>
593 <programlisting language="php"><![CDATA[
594 $upload = Zend_File_Transfer_Adapter_Http::getProgress();
596 while (!$upload['done']) {
597 $upload = Zend_File_Transfer_Adapter_Http:getProgress($upload);
598 print "\nActual progress:".$upload['message'];
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